悪魔?

悪魔の証明の意味は「非存在は証明できない」ではない|議論の方法

議論の経験がある人ならば、「悪魔の証明」というのを聞いたことがあるのではないでしょうか。「ないということを証明しろよ」と要求すると、「それは悪魔の証明だからできない」と返すような場面に心当たりはありませんか。

悪魔?

しかしこれはそういう意味ではなく、ないことを証明することは不可能ではありません。

■悪魔の証明の意味

この言葉の本来の意味は省エネです。悪魔が実在すると信じている人に対して、悪魔がいないことを証明するのは大変だから「お前、そんなに信じ込めるなら、信じ込める理由を教えろよ」と言っているのです。きっとその人は、信じ込める理由があって信じているんでしょうから、すでにあるものを出すだけでいいんだからそっちの方が楽だろ、と。

しかしそれも時と場合によります。昔は証拠もあったし、持っていたんだけど、なくしてしまったとか奪われてしまったとか隠されてしまったとか、いろいろあります。そのようにして隠滅された証拠を持ってこいと言われても、それはとても困難なことです。

そっちの方が簡単なんだから、そっちが先にやれよ、というのが悪魔の証明の意味ですので、どちらも同じように大変ならば、それは両者が努力するべきであって、一方に証明を押しつけてはいけません。

■悪魔の証明の誤解

ちなみに、悪魔の証明を非存在証明のことと考えているのはまだかわいい部類です。ひどいのになると、「ないものをあると証明するなんてできない」とか言い出します。確かに、本当はないものを、あると証明するのはもっと大変でしょうね。

でも、悪魔の証明というのは、そういう意味ではありません。

たぶんこれは、「実在するはずのない悪魔を、実在すると証明することを求められたときの言葉」と解釈してしまっているんじゃないかと思います。

■悪魔の証明の使われ方

基本的にこの言葉は逃げ口上として使われます。「あるというならあることを証明しろ。こっちはないことなんて証明しない。それは悪魔の証明だからな」というのが基本的な使用方法です。

本来ならば、あることが証明されなければあるとは言い切れませんし、ないことが証明されなければないとも言い切れないのですが、その手の人々にとっては、あることが証明されなければないことになるのです。

ないことは証明できないからしなくても証明されたことになる、というのが悪魔の証明という免罪符なんですね。

しかしまともな学者ならば、神の存在が証明されてないから実在は信じないが、非存在も証明されてないからいないとも限らない、くらいはわきまえてるものです。

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