データ収集

統計データからは関係が読み取れる。でも、原因は分からない。|議論の方法

ちょっと議論に慣れてくれば、統計データを利用することを覚えるでしょう。主張に説得力を持たせるには、とても役に立ちますから。しかし残念なことに、統計データが正しく利用されている場面は、とても少ないのです。

データ収集

■相関関係

あるお店で、子供についての統計データが書かれているチラシがありました。「朝ご飯を食べないことと、いらいらしやすいこと」の相関関係がグラフとして示されています。確かに、関係があることを示すグラフになっています。だからこう主張します。

「朝ご飯を食べないから、いらいらしやすくなる」

そう。たいていの人は、そういう考え方をします。だって、なんとなく、そう考えるとしっくりきちゃいますからね。

しかし、その統計データからはそういう結論は引き出せません。そうかもしれないという発想を引き出すとっかかりにはなりますし、じゃぁ本当にそうかどうか、別な方法で調べてみよう、というきっかけにはなります。

でも、データそのものは、そんなことを保証してくれないのです。

■逆の可能性

逆の考え方をしてみましょう。

「いらいらしやすくなっているから、朝ご飯を食べない」というのが事実だった場合、グラフにはどんな変化があるでしょうか?

何かいやなことがあってストレスがたまってて、夜よく眠れない。寝るのが遅いから起きるのも遅い。朝ご飯を食べる時間がないから、つい抜かしてしまう。

これだと、無理に朝ご飯を食べさせたとしても、いらいらは解消されません。この場合でも、いらいらしやすいという条件と、朝ご飯を食べないという条件は同時に満たされます。

相関関係というのは、両者が同時に満たされるとか、一方が満たされるとき一方は満たされないというような関係の強さのことをいうのですから、事実がこうだったとしてもやはり相関関係のあるグラフが得られます。

ということは、グラフだけを見ても、どちらが本当なのかは分からないのです。

朝ご飯を食べないからいらいらするんじゃなくて、いらいらさせるような何かがあって、それが朝ご飯を食べにくくしている可能性を、その統計データは否定できません。

にもかかわらず、勝手にデータから原因を引き出してしまう人はとても多いのです。

■統計データから原因を引き出すのは難しい

議論を実のあるものにする方法として、統計データを利用するのはよいことです。しかし、安易に自分好みの結論を引き出すために使うのはやめましょう。統計データは、どういう調べ方をすればいいか、次のステップに進むための指標として使うものであって、なぜこういう結果が出たのかの原因を求めるためにあるわけではありません。

もし、統計データから原因を引き出してしまっている人を相手にしたときは、それと同じデータになってしまう別な原因がないかを考えてみてください。

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